去年の春の出来事です。
「ねえ、夏休みどこか行きたいね」
妻がスマホで旅行サイトを眺めながら、ふとそう言った夜のことを今でもよく覚えています。
「長崎の雲仙・島原なんてどう? 温泉もあるし、子どもたちも楽しめそうだよ」
「いいね! でも……」
そう、問題は予算でした。
7歳の上の子と3歳の下の子を連れての家族旅行。
ホテル代、食事代、ガソリン代……計算すればするほど、財布の紐が固くなっていきます。
「せっかくの家族旅行なのに、お金の心配ばかりするのもなんだかなあ」
妻の言葉に、私も同感でした。年に一度の家族旅行。
できれば思い切り楽しませてあげたい。でも現実的に、予算には限りがあります。
「福岡空港からレンタカー借りて行くのが便利だよね。でも、1週間借りるとなると……」
大手レンタカー会社のサイトを見て、私は思わず「うっ」と声を漏らしました。
7日間のレンタル料金、思っていた以上に高いんです。
「これだとホテルのグレード下げないと厳しいかも」
「えー、せっかくの旅行なのに」
下の子がまだ3歳。
できれば少しゆったりした部屋で、家族みんなでくつろぎたい。
そう思うと、レンタカー代を抑えられないかと必死で検索を続けました。
そして見つけたんです。「業務レンタカー」という選択肢を。
「業務レンタカー? なにそれ?」
「格安のレンタカーらしいよ。大手の半額くらいで借りられるみたい」
「えっ、そんなに安いの? でも大丈夫なの?」
妻の心配ももっともです。
私も最初は半信半疑でした。
でも口コミを読んでいくうちに、「これ、使えるかも」という確信に変わっていきました。
家族旅行で車に乗っている時間よりも、観光や温泉を楽しむ時間の方が大事。
そう考えたら、これで十分じゃないかと思えたんです。
「じゃあ、これで予約してみようか」
「その分、ホテルは少しいいところにできるね!」
妻の顔がぱっと明るくなりました。
そうなんです。
レンタカー代が浮けば、その分を他に回せる。
この発見が、今回の旅行を大きく変えることになったんです。
旅行当日。福岡空港に到着すると、7歳の息子が興奮気味に叫びました。
「ねえ、早く車借りに行こうよ!」
「もうちょっと待って。荷物受け取ってからね」
3歳の娘は私の手をぎゅっと握りながら、キョロキョロと周りを見回しています。
業務レンタカーの営業所は、空港から10分ほどの場所にありました。
レンタルした車種は少し年式が古めのワンボックスカー。
でも、清掃は行き届いていて、車内もきれいです。
「ジュニアシート、こちらでよろしいですか?」
「はい、ありがとうございます」
3歳の子ども用に、ジュニアシートもしっかり準備されていました。
「パパ、この車で長崎まで行くの?」
「そうだよ。みんなで楽しくドライブしようね」
「やったー!」
息子の元気な声に、娘も「やったー!」と真似して叫びます。
妻が私の耳元で小声で言いました。
「本当に大手の半額くらいで借りられたんだよね。信じられない」
「うん。これで温泉付きのホテル取れたし、良かったよ」
車に乗り込み、いよいよ雲仙・島原への旅がスタートです。
福岡から雲仙までは高速道路を使って約2時間半。
子どもたちが飽きないよう、途中のサービスエリアで休憩を入れました。
「ソフトクリーム食べたい!」
「じゃあ、みんなで食べよう」
こういう些細な贅沢ができるのも、レンタカー代を抑えられたおかげ。
以前の旅行なら「我慢しなさい」と言っていたかもしれません。
「ママ、見て見て! 大きなトラックだよ!」
窓の外を指差す娘。家族でのドライブ、何気ない会話が楽しいんですよね。
雲仙に近づくにつれて、景色が変わっていきます。
「パパ、なんか白い煙が出てるよ!」
「あれが雲仙地獄だよ。温泉の蒸気なんだ」
「すごーい!」
子どもたちの目がキラキラと輝きます。
ホテルにチェックインすると、妻が嬉しそうに言いました。
「見て、この部屋! 広い!」
「温泉付きのホテル、奮発して良かったね」
「レンタカー代が浮いた分、ここに回せたもんね」
部屋からは雲仙の山々が一望できます。
夕暮れ時、オレンジ色に染まる空を見ながら、家族4人で温泉に浸かりました。
「きもちいいー」
3歳の娘が温泉の中でぷかぷかしています。
「こんなにゆっくりできるの、久しぶりだね」
妻がリラックスした表情で言いました。
「毎日忙しいもんね。今日は思い切り楽しもう」
夕食はホテルの懐石料理。
地元の新鮮な海の幸に、子どもたちも大喜びです。
「このお刺身、おいしい!」
「島原の海で取れたお魚なんだって」
食後、もう一度家族で温泉に入りました。
露天風呂から見上げる星空。
「流れ星!」
息子が叫びました。
「どこどこ?」
「あっちー!」
都会では見られない満天の星。
このために来たんだな、と実感した瞬間でした。
2日目は雲仙地獄めぐり。
「うわー、本当にボコボコ言ってる!」
大叫喚地獄の前で、息子が興奮して叫びます。
「熱いから近づきすぎないでね」
「硫黄の匂いがするねー」
妻が鼻を押さえながら笑っています。
3歳の娘は少し怖がっていましたが、「だいじょうぶだよ」と抱っこすると安心した様子。
「パパ、地球の中ってこんな感じなの?」
「そうだね。地球のパワーを感じられるね」
温泉たまごを買って、みんなで食べました。
「あっつい! でもおいしい!」
「フーフーして食べなさい」
こういう体験、お金では買えない思い出になります。
午後は島原半島へ移動。
車窓から見える海の景色に、家族みんなで感動しました。
「ママ、海がキラキラしてる!」
「本当だね。きれいだね」
レンタカーがあるから、自分たちのペースで移動できる。
子どもたちが疲れたら休憩できるし、気になる場所があったら立ち寄れる。
この自由さが本当にありがたいと感じました。
3日目は島原城へ。
「お城だー! かっこいい!」
白壁の美しい島原城に、息子は大興奮です。
「昔の人はこんなお城に住んでたんだよ」
「すごいね!」
天守閣から見下ろす島原の街並み。
有明海の向こうには雲仙岳が見えます。
「パパ、あの山から昨日来たの?」
「そうだよ。よく覚えてたね」
妻は3歳の娘を抱っこして、一緒に景色を眺めていました。
「いい景色だね。写真撮ろう」
「うん!」
家族写真、たくさん撮りました。
スマホのカメラロールが思い出でいっぱいになっていきます。
武家屋敷街も散策しました。
「ここ、お侍さんが住んでたの?」
「そうだよ。江戸時代の武士の家だよ」
「かっこいい!」
湧き水が流れる水路に、娘が手を伸ばします。
「つめたーい!」
「気持ちいいね」
こういう何気ない瞬間が、旅の一番の思い出になったりするんですよね。
4日目、5日目は少し足を伸ばして、島原半島をぐるっと回りました。
「今日はどこ行く?」
「海沿いをドライブしようか」
レンタカーがあるからこその自由。
観光地だけじゃなく、地元の人しか知らないような小さな漁港や、隠れた絶景スポットにも立ち寄れました。
「パパ、あそこに面白そうなお店があるよ!」
「じゃあ、寄ってみようか」
地元の農産物直売所で、新鮮な野菜やフルーツを買いました。
「このトマト、めちゃくちゃ甘いですよ」
店員さんのおすすめで買ったトマトを車の中で食べると、本当に甘くてジューシー。
「おいしい! もっと食べたい!」
子どもたちも大喜びです。
「レンタカー代を抑えた分、こういう地元のものにお金を使えるのっていいよね」
妻の言葉に、私も頷きました。
安いレンタカーだからって、何か不便があったかというと、全くありません。
エアコンもカーナビも問題なく動くし、燃費も悪くない。
「最初は格安レンタカーって大丈夫かなって思ったけど、全然問題ないね」
「むしろ、これで十分だよね」
夜は地元の居酒屋で食事をしました。新鮮な刺身、島原の郷土料理。
「具雑煮、初めて食べたけどおいしい!」
「島原の名物なんだって」
店主さんが気さくに話しかけてくれて、おすすめの観光スポットも教えてくれました。
「明日、そこ行ってみようか」
「うん!」
こういう地元の人との触れ合いも、旅の醍醐味ですよね。
6日目は再び雲仙に戻って、温泉三昧の一日。
「今日は一日ゆっくりしようね」
「やったー! また温泉入れる!」
午前中は貸切風呂を予約していました。
家族4人だけの空間。
「パパ、泳いでいい?」
「温泉は泳ぐところじゃないよ」
「でもー」
笑いながら過ごす時間。
こういう何もしない贅沢って、普段の生活ではなかなか味わえません。
午後は雲仙の散策。
ロープウェイに乗って、仁田峠へ。
「わー! 高い高い!」
娘が少し怖がっていましたが、妻がしっかり抱きしめています。
「大丈夫だよ。すごくきれいな景色が見えるからね」
展望台から見る360度のパノラマ。
有明海、橘湾、天気が良ければ天草まで見渡せます。
「すごい……」
息子も言葉を失うほどの絶景でした。
「こんなきれいな景色、初めて見た」
妻が感動した様子で言いました。
「来て良かったね」
「うん。本当に良かった」
夕食前、もう一度温泉に入りました。
「もう何回目だろうね、温泉入るの」
「数えてないけど、いっぱい入ったね」]
「お肌がツルツルになったよ」
妻が嬉しそうに頬を触っています。
夕食後、子どもたちが早く寝てくれたので、妻とふたりでゆっくり話す時間ができました。
「今回の旅行、すごく充実してるよね」
「レンタカー代を抑えられたのが本当に大きかったよ」
「最初は格安って大丈夫かなって心配だったけど、全然問題なかったね」
「むしろ、浮いた分でいいホテルに泊まれたし、美味しいもの食べられたし」
「子どもたちもすごく楽しそうだしね」
普段は仕事や育児に追われて、こうやってゆっくり話すこともなかなかできません。
旅行に来て良かったな、と心から思いました。
7日目、最終日。
名残惜しいですが、福岡空港へ向けて出発です。
「もう帰るの? やだー」
「また来ようね」
「うん! また来たい!」
子どもたちが別れを惜しんでいます。
帰りの車の中、妻が言いました。
「1週間、あっという間だったね」
「本当にね。でも、すごく充実してた」
「レンタカーも何の問題もなかったし、業務レンタカーにして正解だったよ」
「大手と比べて半額くらいだったもんね。その分、いろいろできた」
振り返ってみると、レンタカー代を抑えたことで、他の部分に予算を回せました。
温泉付きのホテル、地元の美味しい食事、観光地での思い出作り。
もし大手のレンタカーを借りていたら、ホテルのグレードを下げるか、食事を節約するか、どこか我慢が必要だったはずです。
でも、業務レンタカーという選択肢を知ったおかげで、全体的に満足度の高い旅行になりました。
福岡空港に到着し、レンタカーを返却。
空港のベンチで、妻が満足そうに言いました。
「いい旅行だったね」
「うん。子どもたちも楽しんでくれたみたいだし」
「次はどこ行こうか」
「もう次の計画?」
「だって、また旅行したくなっちゃった」
笑い合いながら、家路につきました。
今回の雲仙・島原旅行を振り返って、一番良かったと思うのは「業務レンタカー」という選択肢を知ったことです。
正直、最初は「格安」という言葉に少し不安がありました。
でも、実際に利用してみると何の問題もありませんでした。
大事なのは、車そのものではなく、その車で何をするか。
どこへ行くか。
誰と過ごすか。
新車じゃなくても、ちょっと年式が古くても、家族との思い出作りには十分でした。
そして、レンタカー代を抑えた分、他のところに予算を回せたのが本当に良かった。
温泉付きのホテル、地元の美味しい料理、子どもたちが喜ぶお土産。
「お金がないから旅行は無理」と諦めるのではなく、「どうやったら予算内で楽しめるか」を考える。
業務レンタカーは、そんな私たちの願いを叶えてくれる選択肢でした。
子どもたちは今でも「また雲仙行きたい!」と言います。
温泉の思い出、お城の思い出、美味しかった食べ物の思い出。
家族4人で過ごした1週間。
それは、何物にも代えがたい、かけがえのない時間でした。
次の旅行でも、きっと業務レンタカーを利用すると思います。
賢く予算を使って、充実した旅を。それが、私たち家族の新しい旅のスタイルになりました。